具体的に必要なものをあげるならば、パソコン、そしてメールアドレスです。
現在の音楽業界は、楽曲にしろ、歌詞にしろ、ほとんど全てデータのやり取りで行われています。
「この楽曲の歌詞を書いて欲しい」という依頼はもちろんメールで送られてきますし、
書いた歌詞はメールに添付して送る、と言うのが通常の流れになります。
とはいえ今の時代にはスマートフォンがありますから、それで全ては事足ります。
言ってしまえば
携帯ひとつで作詞家になれてしまうのです。
他に必要なツールは特にありません。
あなたが目指しているのは、お金のかからないお仕事
今お話したのは作詞に必要な道具のお話でした。
作曲やアレンジと比べると、作詞は本当にお金のかからない作業です。
作曲にはまず楽器、そしてそれを録音する機材が必要です。
現在では作曲ソフトで全てを賄う方が多いと思いますが、そのソフトもパソコンが無ければ操作出来ません。
アレンジともなると様々なプラグインが必要となり、
実際CDに出来るクオリティを出すためにはウン百万円かかるのが普通なのです。
作詞に関してはそういった初期投資が必要ありません。
そういうところも、誰もが作詞家になれるという1つの理由といえます。
感動、したことありますか?
私は普段作詞だけでなく、作曲、アレンジ、歌唱の全てを行いますが
その音楽的作業の中で、作詞が一番難しいと感じています。
その理由は、作詞は「心」がなければ出来ない作業だからです。
極端に言えば、作曲やアレンジは道具さえ揃っていればいいのです。
あとは音楽理論を学んだり、音の流行を知ることで、ある程度までは形にできてしまいます。
しかし作詞は、それらとは全く違ったスキルを要します。
それが「心」なのです。
心があればだれでも書けるというわけではありません。
動く心、すなわち「感動」できる心
それこそが、作詞をするにあたって一番大切なものなのです。
自分の心が動いた時、それを誰かに伝えたいと想うと仮定します。
どうやって伝えたら、自分が感じた心の揺れを相手にも同じように感じてもらえるのか。
伝え方によっては全く別の受け取り方をされてしまう可能性もあります。
作詞とは、つまりそういう事なのです。
別に泣くほど感動することばかりを歌詞にする必要はありません。
本当にささいな事に心が激しく揺れたと、などという経験は誰にだってあるでしょう。
作詞とは、自分と向き合うこと
作詞をするということは、自分と向き合うことです。
なぜ自分は感動したのか、自分の心の揺れを細部までよく見つめ、掘り下げていく必要があります。
そこが無い歌詞は、ただの言葉の羅列になってしまいます。
時にはその作業が苦痛に感じることだってあるでしょう。
しかし自分が書いた歌詞が世に出て、それに共感したり感動してくれる人に出会った時、
全ての苦痛は喜びへと変わることを断言します。
「感動してくれる人」というのは、なにもリスナーさんだけではありません。
歌を歌ってくれるアーティストさんかもしれません。
そのアーティストを売り出している関係者の方々かもしれません。
その曲をつくった作曲家さんかもしれません。
同じ「音楽」のプロに認められることも、とても大きな喜びになるのです。
そしてその歌詞が自分にしか書けない「オリジナル」であればあるほど、その喜びは大きいでしょう。
誰もが目指せる「作詞家」という職業の先には、
誰も味わうことの出来ない、あなただけの喜びが待っているのです。
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
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