言葉と音の切っても切れない関係
初心者がぶつかる作詞の壁はまだあります。
それは「メロディに合っていない言葉を選んでしまう」ということ。
実際に歌詞を書く時、ノートやPCのメモ・Wordなどに書き進めていくことになるでしょう。
出来上がった歌詞は、目で見る限りでは完璧!
しかし実際に歌ってみたら何だか垢抜けなくてかっこ悪い…
こういった時に気にして欲しいのが
「音としての言葉」です。
もちろん曲を何度も聞きながら、頭の中でメロディと言葉を合わせながら、時には鼻歌を歌いながら歌詞を綴っていくわけなので、
「ちゃんとメロディにハマっているはず!」と思い込みがちです。
しかし「頭の中」や「鼻歌」に頼り過ぎるのはとても危険だと言えます。
『プロに近い歌詞の書き方 Vol.1』でも少し触れましたが、
メロディと相性の良い言葉というのは、声に出して歌ってみた時にはじめて、
その言葉の音としての
「響き」の心地よさ
で「有り無し」を感じ取ることが出来ます。
この「言葉と音の関係」を知ることでプロっぽい、垢抜けた歌詞が書けるようになるでしょう。
言葉が持つ「音」としての特徴を知ろう
すべての言葉が持っているのが「あ・い・う・え・お」の母音。
まず、それぞれの「母音」がもつ「音」としての特徴をみていきましょう。
あ段
口を最も大きく開けて発生する「あ」段の言葉は、とても明るい印象を与えます。
ポップスではサビの頭に使用することがとても多い音と言えます。
い段
こちらも「あ段」と同様に抜けが良く、歌詞としては言葉の頭に使いやすい音です。
う段
口を空ける面積で言えば最も小さいのが、この「う段」です。「あ段」や「い段」と違い強く発生するのが難しく、勢いを付けたいサビ頭などでの使用は避けたほうが良いでしょう。
え段
こちらも強さに欠ける音と言えますが、サビ終わりのロングトーンなどに使いやすいのがこの「え段」です。
お段
「う段」の次に口を開ける面積が小さい「お段」ですが、音の強さという面では「あ段」や「い段」に似ており、歌詞として使いやすい音と言えるでしょう。次に「子音」が持つ「音」としての特徴を見ていきましょう。
か行、た行
とても強いイメージを聞く人に与える音です。サビ頭や、メロディが跳ねている場合などに使用すると良い効果を得られます。
さ行、は行
力いっぱい発生しても、息が抜けていってしまうのがこの2つの音です。音としてのインパクトは少ないですが、とても耳障りが良いのが特徴です。
な行、ま行、や行
優しいイメージを聞く人与える音。バラード等で使いやすいと言えるでしょう。
ら行
日常的に使われることも少ないのがこの「ら行」から始まる言葉です。歌いやすさにも欠けるため、歌詞としての使用頻度も少ない音になります。このように見ていくと、サビの歌詞として最も効果的に使えるのは
「か行」「さ行」から始まる、母音が「あ段」「い段」「お段」の言葉
という事が分かりますね。
必ずしもこうでなければならないという訳ではありませんが、
この「言葉と音の関係」を知っておくだけで、メロディへのハマりがよい「歌詞らしい歌詞」を書くことが出来るはずです。
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
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