言葉とメロディの相乗効果
『作詞のコツ ~言葉と音編~』では、言葉の持つ「音」としての特徴を知ることで、メロディに合う歌詞を選ぶ、というお話しをしました。
今回は「言葉とメロディ」の関係性のお話しです。
過去の名曲などを聞いていて、「このメロディにはこの歌詞しか考えられない!」と思う時はありませんか?
ポップスにおいて、言葉とメロディはとても深いつながりを持っています。
歌詞がメロディにばっちりとハマっている曲は、聴いていてとても気持ちが良いですし、何よりも自然と歌いたくなってしまうものです。
『作詞のコツ ~言葉と音編~』で学んだ「言葉のが持つ音としての特徴」を活用すれば、この「メロディに合った歌詞」を書くことは難しくないはずです。
しかし、どうしても良い歌詞がでてこない、、、そんな時は以下の方法を試してみましょう!
メロディを繰り返し歌う
言葉が出てこないワンフレーズのメロディを「ラララ」で歌ってみて下さい。
一回ではダメです。何回も、何回も、繰り返し歌ってみます。
そうすると、その
メロディが「求めている言葉」が見えてくる
ことがあります。
「メロディが歌詞を導く」ということは決して珍しいことではありません。
私自身、シンガーソングライターとして楽曲を制作していた頃は、
メロディと言葉が同時に出てくる、という事がありました。
その言葉を伝えるためにそのメロディは生まれ、
そのメロディを美しく歌うためにその言葉が生まれる。
そんな風に出来た歌詞には、なんとも言えない「説得力」が宿っている気がしたものです。
たとえ自分が作った曲でなくとも、
作曲者の想いが宿った楽曲と深く向かい合うことで、思いがけない歌詞が生まれる可能性だってあるのです。
プロの歌詞から学ぶこと
私の作詞レッスンを受ける生徒さんの中にも、何度やっても言葉とメロディがケンカしてしまう、という悩みを持った方がいらっしゃいました。
しかしあるアドバイスをしてから、その生徒さんの歌詞は驚くほどと「歌詞らしく」なったのです。
私がしたアドバイスは
「音楽(ポップス)をたくさん聴くこと!」
たったこれだけで、劇的に良い歌詞が書けるようになったのです。
歌詞を書くわけですから、他の人が書いた歌詞、過去の有名な歌詞を見て学ぶというのは当然のことのように思うかもしれません。しかし、
「良い歌詞を書きたい!= 他の人とは違う歌詞を書きたい!」
初心者の方に多く見られるのがこの考え方です。
こうなると、冷静に他の曲を聴き、分析することは出来ません。
作詞への情熱が先走ってしまい、本当の意味での「良い歌詞」を履き違えてしまうのでしょう。
他では見たことがない、独特な言葉遣いや表現方法が「オリジナリティ」だと勘違いしてしまうわけです。
結果、「言葉の持つ音としての特徴」や「メロディとの相性」を無視してしまい、「言葉とメロディがケンカしている」状態になってしまうわけです。
この状態の歌詞というのは、どんなに内容が素晴らしくてもリスナーの心に響くことはまずありません。
『オリジナリティのある歌詞とは』でもお話しましたが、
誰もが日常的に使い、よく知っている言葉こそが、作詞家のオリジナリティに必要なアイテム
になります。
そのためには過去の名曲、現在売れている曲などを何度も繰り返し聴き込み、
どのようにしてメロディと言葉の相乗効果が起こっているのか?その部分を自分なりに研究してみること。
オリジナリティは、そこを深く理解した後の話です。
そうすることで、自然と「歌詞らしい歌詞」が書けるようになっていき、言葉とメロディの相乗効果を得ることが出来るでしょう。
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
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