前の記事 『作詞家ってどんなお仕事?PART1』では
「作詞家が書くべき歌詞」と「アーティストが書くべき歌詞」の違いを書きました。
実際の仕事の流れに関しても、「作詞家」と「アーティスト」では全く違います。
作詞家的 仕事のとり方
作詞家は、歌ってくれるアーティストがいて初めてその仕事が成り立ちます。
ではそのアーティストからどのように依頼が来るのか?
作詞のお仕事のほとんどは依頼ではなく「コンペ」で決まります。
「コンペ」とは competition の略で、いわゆる「競争」のことです。
1つの案件(曲)に対して何人もの作詞家が歌詞を書き、アーティスト側の担当者がどれを使用するかを選ぶ。
これが通常の流れになります。
ですので作詞家になったらまず、このコンペ情報を入手するのが仕事獲得への近道です。
職業「作詞家」の少なさ
そしてとても大切なこと。
先ほど書いた「何人もの作詞家」というのは、
ひとつの案件について100人近い作詞家が競い合う場合が多々ある
ということを知っておいて下さい。
作詞家と名乗っている全ての人が「作詞家」のみを生業にしているわけではありません。
私のように作曲家でもあり、作詞もする。という人も多いですし、
「普段は会社員をしながら作詞でも稼いでいる」という人だっているでしょう。
音楽業界における生粋の「作詞家」の数は、作曲家やアレンジャーに比べると大変少ないです。
しかし、前述したように「作詞も出来る」という人が多いのも事実で
そのためコンペで「敵」となる人数は常に多いと思っていて下さい。
しかし逆を言えば「片手間」でも出来てしまう人がいるのが、「作詞家」という仕事なのです。
コンペを勝ち取った、その先に
コンペの話を聞くと誰もが
「大変そうだな、、、」
「私には無理かも、、、」と思うでしょう。
私だってそうでした。
コンペで取り損ねた案件が世にリリースされた時に、真っ先に目が行くのは「作詞」のクレジットです。
作詞界では有名な方が採用されていたりすれば
「私ではこの人を超えることが出来ない」
と落ち込んだ経験は数知れません。
しかし、
コンペだけが「仕事を取る方法」ではもちろんありません。
これは作詞家の人であれば誰もが経験していると思うのですが、
コンペを一度だけでも勝ち取れれば、もれなく同じクライアントから別案件についての依頼を頂けるチャンスがついてくるのです。
これはもし「コンペを勝ち取る」ことが出来なかったとしても、
最終候補に残ったり、審査する人の心に残ることが出来れば十分あり得るチャンスだと考えて下さい。
音楽を作る人々は、常に良い「作詞家」を探しています。
これは私が様々な音楽関係者とお話しをさせて頂いた経験上、絶対そうだと断言できることです。
ですので「この人に任せれば大丈夫だ!」と思える作詞家が現れれば、どんな案件でもその人に任せたいと考えるでしょう。
もしくは「作詞コンペをしたけれども、どうも良い歌詞が集まらなかった。」
なんて場合の最終手段としても、名前が上がる確率がとても高いのです。
作詞家としてお仕事をするならば
・少しでも音楽関係者の目、心に留まる歌詞を書く
良い歌詞を書けていれば、自ずと仕事が増えてゆくでしょう。
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
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