歌詞は「音楽」であり「文学」ではない
『良い歌詞は「語りすぎない」』や 『プロに近い歌詞の書き方 vol.3』の回など、
このブログでも度々お話ししているように、「説明しすぎる歌詞」を書くのも「良くない歌詞」への一歩だと考えます。
なぜこんなに口を酸っぱくしてまでこのことに触れているのか?
それは、
初めて作詞をする人が最も陥りやすい
と言えるのが、この「説明しすぎる歌詞」だからです。
説明しがちな歌詞からの脱却
「伝えたい」という想いが強ければ強いほど、説明がくどくなってしまう。
これはごく普通のことです。
これまでの記事では
- 話し言葉を使う
- 歌詞のダイエット
など、主に「一度書いた歌詞を修正する」というシーンで役立つ方法をお伝えしてきましたが、
今回は初めから「説明しすぎる歌詞」にしないための作詞方法をお伝えしていきます。
コピーライターというお仕事
みなさんはコピーライターという職業をご存知でしょうか?
コピーライターとは、商品や企業を宣伝するため、新聞・雑誌・ポスターなどのグラフィック広告、テレビCM、ラジオCM、ウェブサイトやバナー広告などに使用する文言(コピー)を書くことを職業とする人のこと。
コピーライター|wikipedia
超有名どころをあげるとすればTVなどでも活躍されていた、「糸井重里さん」などがいらっしゃいます。
宮﨑駿監督作品「もののけ姫」に使用された「生きろ!」というコピーを考えた人、
と言えば分かる方も多いのではないでしょうか?
作詞家は、この「コピーライター」に近い職業だと私は思っています。
同じ「言葉」を扱う職業でも、「小説家」ではないという考えです。
そして「説明しすぎる歌詞」からの脱却のカギが、ここにあるのです。
一行一千万円
これは昔、糸井さんがおっしゃった名言(?)です。
企業が売り出す商品にたった一行のコピーを考えるのに「一千万円の報酬を請求する」という強気な発言ではありますが、
それほど「コピー」と言うものが重要であり、そのたった一行で商品の売れ行きが大きく変わる、という証拠ではないでしょうか。
歌詞は、そこに音楽があり、コピーに比べれば言葉の数も多い方です。
しかし、
言葉ひとつに込めるべき「説得力」
というのは
コピーも歌詞も共通するものがあるのではないでしょうか。
長々と説明すれば、きっと子供にでも理解できるような、分かりやすい歌詞が書けるでしょう。
しかし、限られた言葉(それは歌詞の中のたった一言でも良いのですが)に
想いの丈を詰め込み、リスナーの心に瞬時に届けることが出来る、
そんな作詞家としての「技術」を磨いていきましょう!
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
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