オリジナリティは入れ過ぎ注意のスパイス
前の記事 『自分だけの歌詞を書く方法』ではオリジナリティの見つけ方を書きました。
ここでひとつ、忘れてはいけないことがあります。
それは「共感なきところにオリジナリティなし!」ということ。
どんなに素敵なオリジナリティある言葉がちりばめられていたとしても、
その歌詞に「共感」がなければ、それはただの変わった作品になってしまいます。
言うなれば、芸術的過ぎる絵画のようなものでしょうか?
自分で歌うというのなら、アーティスティックでいいかもしれません。
しかし世間に大きく売り出すアーティストがその歌詞を選ぶということはほぼ無いでしょう。
使い古された言葉の価値
そして「歌詞として使い古された言葉」についても、ここで付け足しを。
ポップスとして誰もが聞き慣れている言葉にも、実はちゃんとした使い道があるのです。
今まで沢山聴いてきたからこそ、その言葉からイメージできるものがリスナー間で共通している
という点。
これがとっても使えます。
例えば、
白い雲
輝く太陽
という言葉があります。
皆さんはこの言葉にどのよなイメージを持っていますか?
きっと爽やかで、何か幸せなことが起こりそうな、そんなプラスなイメージを持つのではないでしょうか。
一方で、
雨雲
蒼い月影
という言葉だとどうでしょう?
何だか暗くて、哀しいことが起こりそうな、マイナスのイメージではありませんか?
この様に「聞き慣れた言葉」によって、瞬時に歌詞の世界観をリスナーさんに読み取ってもらうことが出来ます。
ポップスは長くて5分の世界
ではなぜ「瞬時に歌詞の世界観を読み取ってもらう」ことが大切なのか。
ポップスと言うのは長くても5分の世界です。
この世界の中で1から10まで全てを説明しなければならないと考えて下さい。
もっと言えば、1番で大まかな趣旨をリスナーに伝えなければなりません。
様々な歌が溢れている今の現代、
悠長に最初から最後まで聴いて良し悪しを決めてくれるリスナーはいません。
これは関係者にも同じことが言えます。
音楽関係者は常に忙しい!
レコード会社側は常にとても忙しい最中でコンペを行っていると思って下さい。
もし1番で何も伝わらなければ、すぐに聴くのをやめてしまいます。
ですのでより短い文章で、おおまかな歌詞のシチュエーション
例えばそれが恋愛の歌なのか、友情の歌なのかを理解して貰う必要があるのです。
そのような時こそ、この「聞き慣れた言葉」の使い方がとても重要になってくるのです。
例えば1番のAメロで
とあれば、主人公は今女性と一緒にいて、その人に恋をしている。
これは一人の男性の恋の歌なのだ。と、ここまで理解することができますよね。
「聞きなれた言葉」を上手に使うことで、
歌詞のシチュエーションを素早くリスナーに伝えることができるのです。
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
【 関連記事 】