C ⇒ A ⇒ Bと書き進めたら、この時点で「歌詞の内容がブレていないか」のチェックをしましょう。
ここまで終えて、とうとう1番の歌詞の出来上がりです!
コンペ等では「一先ずワンコーラスのみで」という案件も多いのが現状です。
しかしプロ作詞家として本当のセンスが試されるのは、今回お話する「2番」かもしれません。
2番で作詞家のセンスがバレる!?
「2番の歌詞の書き始めは、作詞家の一番”恥ずかしい”部分」
これは私の先輩がおっしゃっていた事です。
1番のメロディの繰り返しである2番。
その出だしを書くのがとても恥ずかしいと言うのです。
聞いた当時はあまりピンとこなかったのですが、
今は、とてもプロ意識の高い言葉だったんだなと感じています。
これはその作詞家のサービス精神の問題なのかもしれないのですが、
1番のサビが終わって、1番のAメロと同じメロディに戻る時、
もし作詞家が気を抜いた歌詞をつけていたら、リスナーの気持ちは冷めてしまうかもしれません。
1番の繰り返しである2番で、よりリスナーを引き込めるような努力をする。
もちろん1番と2番で言っていることが違う、なんてことはご法度です。
2番を制する者が作詞を制する
「一先ずワンコーラスのみで」のコンペに通れば、もちろん2番3番、
フルコーラス分の歌詞を書くことになります。
そして、この状況まで残る作詞家は一人だけではないかもしれません。
フルコーラス分の歌詞で、更にふるいをかけられる場合ももちろんあるでしょう。
コンペ用に1番で力を使い果たしてしまった…!なんて事のないように、
その先のイメージも頭の片隅においておくことをお勧めします。
歌ってみて分かること
以上、5回にわたって「プロに近い歌詞の書き方」を書いてきました。
プロに近い歌詞の書き方のまとめ
・2番といえども気を抜くべからず!
・最後は全体を通して内容の相違が起きていないかを必ずチェック!
そして可能な限り、
自分の書いた歌詞を自分で歌ってみましょう。
パソコン上で見る歌詞の出来栄えはバッチリ!
でも歌ってみたらとても歌い辛かった…これでは話になりません。
頭でっかちな作詞家の落とし穴
もともと「活字」が好きな人は特に陥りやすいのがこの問題です。
表現方法や言い回しにこだわりすぎてしまい、メロディを無視してしまうと
例え作品としては素晴らしい歌詞だったとしても、プリプロ(レコーディングの前にアーティスト本人が仮で歌を入れる作業)をした後、
「アーティストが歌いにくそうだから」という理由でボツにされるケースも珍しくありません。
もし歌が苦手だったとしても、自分で歌ってみる。
そして
スマホのボイスレコーダーを使って録音、客観的に聴いてみる。
この作業をするとしないとでは、仕上がりにとても大きな差が生まれます。
私自身、鼻歌で歌いながら「大丈夫だろう」と思い書き進めた歌詞を
本格的に歌い、録音してみて大部分を書き換える、なんて事は良くあります。
「あとひと手間」を惜しまない。
プロを目指すのであれば、作詞の全ての工程においてこの言葉を忘れないでて下さい。
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
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